第21話で「楽しみに待ってろ」は二度響きます。高田は周へ、Fは樊へ同じ言葉を残しました。李は撃たれ、周は帰還のために生かされます。同じ怒りが違う形になったのはなぜでしょうか。わたしは、誰が武器と標的の間へ入ったかから考えます。
二つの「待ってろ」が離れて響く
第21話では、「楽しみに待ってろ」が二度響きました。救出された高田は、和田を殺した周へ復讐を予告してこの言葉を結びに置きます。離陸したFも、樊の通信へ入り、今回の借りを返すと告げた後に同じ言葉を残しました。
二つの場面では、どちらも敵との決着がついていません。周は帰還のための人質として生かされ、樊はシンシー本部に残っています。勝利を祝う言葉に聞こえても、実際には怒りをその場で終わらせず、次の時間へ送る言葉でした。
高田は怒りを言葉へ移した
周を前にした廣瀬は、取り戻した乃木家の守り刀を向けました。乃木は周と警部を帰還の「生命線」だとして止めます。廣瀬が納得したから刃を下ろしたのではありません。仲間を拷問され、和田を失った怒りと、帰るために加害者を生かす判断がぶつかりました。
そこで高田は廣瀬の前へ出ます。高田は怒りを間違いだとは言わず、四人は周を忘れないと代弁し、すぐの攻撃だけを先の予告へ変えました。わたしには、あの強い言葉が、仲間の感情を置き去りにせず帰還を続けるための一時的な蓋に見えます。
Fにはノコルという外側の制止が要った
李を前にしたFは、和田の仇だと言って発砲を続けました。李は自分ではないと否定しましたが、その一言だけで無実とは決められません。ただ、Fは関与を確かめ直す前に撃ち続け、ノコルの「もういいだろ」で止まりました。Fが自分で怒りを先へ送った場面ではありません。
第17話では、仲間を切ろうとする乃木をFが止めました。第21話では順序が反転し、仲間のために撃ち続けるFをノコルが止めます。幼い乃木を守った内側の声が仲間へ向かうほど、その声を外側から止められる仲間も必要になったのだと思います。
借りを返す先を変えられるか
わたしの答えは、同じ言葉を二度置いたのは、和田の死を帰還成功で閉じず、怒りを誰が制御するのかという問いを次へ残すためだというものです。高田は怒りを言葉へ移し、Fはノコルに止められました。別班は敵を忘れない集団ですが、仲間が仲間の行き過ぎを止めたからこそ帰還できました。
第22話の予告では、日本でジャミーンを守る必要が示されています。和田の借りを返す力は、樊を追うためにも、次の犠牲を出さないためにも使えます。次に見たいのは、Fが誰を撃つかより、ノコルの制止を受けた乃木が、怒りより先に守る相手へ手を伸ばせるかです。
第21話を見返すなら、廣瀬と周の間へ高田が入る瞬間と、Fと李の間へノコルが入る瞬間を続けて見たいです。「楽しみに待ってろ」は威勢のよい捨てぜりふだけでなく、二人の仲間が復讐を今日の任務から引き離した言葉に聞こえてきます。
この記事の要点
- 高田は廣瀬の前へ出て、周への怒りを即時の攻撃から先の予告へ移しました。
- 李へ発砲を続けたFを止めたのはノコルであり、Fには外側の制止が必要でした。
- 二つの言葉は和田の借りが未決着だと示し、報復と次の保護のどちらへ力を向けるかを残しました。
出典・参考
本編と公式情報を事実確認の軸にしています。報道や個人の考察は、説の広がりを知るための参考として扱い、確認できた事実とは分けて記載しました。