高田明敏はシャキ城の牢から救出されても、和田を失った怒りを敵地へ置いてきませんでした。第21話で廣瀬が周へ守り刀を向けると、その前へ出て四人の言葉を引き受けます。高田の怖さは、怒りを爆発させることより、仲間を帰すために一度言葉へ移せるところにあります。
廣瀬の怒りを奪わず、手だけを止めた
第21話で廣瀬は、和田への拷問に使われた乃木家の守り刀を周へ向けました。乃木が周と警部を帰還の生命線として止めると、高田が廣瀬の前へ出ます。高田は怒りを間違いだとは言わず、四人は周を忘れないと中国語で告げました。
あの言葉は周を脅すだけでなく、廣瀬が一人で抱えた怒りを四人のものへ戻しました。高田がすぐに刃を取らず、言葉を引き受けたことで、一行は周を人質にしたまま空港へ進めます。仲間の感情と任務の両方を捨てない選択でした。
なぜ中国語だったのか
高田は日本語ではなく中国語で告げました。相手に確実に届かせるためです。通訳を挟まず、言い換えの余地も残しませんでした。
この言語の選び方に、別班員としての訓練が出ています。感情が極まった場面でも、どの言葉なら相手の芯に当たるかを選べました。
同時に、周にとっては逃げ場のない一文になりました。意味が分からないまま睨まれるのと、はっきり分かる言葉で名前を覚えられたと告げられるのは、まったく別の恐怖だと思います。
言葉が通じる相手に、通じる言葉で告げました。高田はあの場で唯一、相手の耳に届く道具を持っていた人でした。
忘れないことを、次の行動へどう変えるか
高田が予告した報復を本当に実行するかは、まだ分かりません。敵を忘れないという誓いは、相手を殺す方向にも、和田が受けたことを記録して次の被害を防ぐ方向にも進めます。強い言葉の後で何を選ぶかが、高田の人物像を決めます。
次に見たいのは、帰国後の高田が和田をどう語るかです。復讐の相手だけを見続けるのか、廣瀬や熊谷、黒須が回復する時間を支えるのかによって、周へ向けた言葉の意味も変わります。
怒りを扱う訓練と、その限界
高田の落ち着きは、性格というより訓練の結果に見えます。極限で言葉を選べる人は、そう訓練された人です。
ただ、訓練で抑えた怒りは消えません。置き場所が変わるだけです。周へ告げた一文は、その置き場所を四人のあいだへ移した作業でした。
置いた荷物は、どこかで必ず開きます。帰国後の高田がそれをいつ開けるのか、誰の前で開けるのかを待っています。
中国語で告げた一文は、周にとっては判決でした。あれを言える人が味方にいることは、頼もしさと同時に少し怖いです。
高田は救出まで拘束され、第21話では周へ怒りを向けました。拉致側へ協力した事実はなく、被害者としての行動が続いています。
評価語は犯人認定ではありません。劇中で確認できる接点と、疑いを弱める材料を並べた現時点の見立てです。
疑う材料
- 拉致直後には、別班が拘束を潜入へ利用した可能性が考えられました。
- 前作のテント潜入作戦を知り、敵が接触する価値の高い人物でした。
疑いを弱める材料
- 療養中の病院を襲われ、シャキ城でほかの別班員と拘束されました。
- 第20話では乃木たちに救出され、敵側へ戻る行動はありませんでした。
- 第21話で周へ向けた怒りは、協力関係より被害と喪失を示しています。
- 所属
- 別班
- 前作
- テント潜入作戦に参加し、乃木の銃撃を受ける
- 第11話
- 治療中の病院から拉致される
- 第20話
- シャキ城の牢から救出され、和田の遺体と脱出
- 第21話
- 周へ中国語で四人の復讐を予告し、国外脱出
出典・参考
本編と公式情報を事実確認の軸にしています。報道や個人の考察は、説の広がりを知るための参考として扱い、確認できた事実とは分けて記載しました。