殺すだけなら、5人を別々の国へ運ぶ必要はありません。敵は別班員ではなく、彼らを追う乃木の行動を設計しているのかもしれません。
追跡できる痕跡を残したのはなぜか
太田が追跡情報から5人の移送先を割り出して、乃木はその共通点からキプロスへ向かいました。敵が別班の解析力を知っていたなら、残された足取りは失敗ではなく道しるべになります。
ただし、乃木がキプロスで会ったのは拉致犯ではなくアリでした。アリが呼び出し役なのか、乃木が独自に選んだだけなのでしょうか。誘導説はここが分かれます。
ここで引っかかるのは、足取りの残り方です。消すことができる相手が、消しませんでした。追われることを前提にした動き方に見えます。
殺すだけなら、こんな手間はかけない
国内外にいた5人をほぼ同時に連れ去り、5つの国へ運びます。運ぶ人員、隠す場所、見張りを、それぞれ別に用意しなければなりません。五通りの段取りを回したことになります。
排除が目的なら、現場で済みます。療養中の人を病院から連れ出す手間をかけて、生かしたまま国境を越えさせました。この手間の大きさが、目的の形をかなり絞ってくれます。
ただし、生かして運んだことと、これから先も生かし続けることは別です。この説を強く採りたい気持ちはありますが、現時点で生存を保証する材料はありません。
五人を同時に動かすには、現場の人数も相当に要ります。個人の恨みでは回りません。
黒須一人で、二つの線につながる
黒須は乃木の自衛隊時代からの友人で、同時にノコルの側にもつながります。人質としての価値が二重になっている人物です。
だから誘い出すだけなら、黒須一人で足りたはずです。五人をそろえた理由は、誘導とは別のところにもありそうです。わたしはここで一度立ち止まります。
黒須を助けたいという気持ちは、乃木の行動をいちばん確実に動かします。敵がそこを見ていたなら、人選としてはうまいです。
要求が来ていないことが、いちばんの弱点
乃木を誘い出す計画なら、要求か集合地点を示すほうが早いです。放置して勝手に追わせるより、呼び出したほうが確実です。それが示されていません。
説明の仕方は二つあります。まだ準備の途中なのか、それとも誘導が主目的ではないのでしょうか。わたしは後者に少し傾いていますが、分散移送の手間を説明できる説は今のところこれだけです。
だから信憑度はBのまま置いています。要求が届いた回があれば一気に上がりますし、五人の拘束場所が一か所へ寄れば、別の目的が前へ出ます。
もう一度見るなら、キプロスの場面
乃木がキプロスで会ったのは、拉致犯ではなくアリでした。誘導説を採るなら、アリが呼び出し役になります。そこが成立するかどうかで、この説の形は変わります。
見たいのは、アリが乃木の到着を予想していたかどうかです。驚いていたのでしょうか、それとも待っていたのでしょうか。確保される直前の表情に、答えの一部が残っているかもしれません。
結局この説の中心は、乃木の判断にどれだけ自由があったのかという一点です。自分で選んで動いたと思っていた道が、誰かの設計だったとしたら、それはかなり怖い話になります。
移送の手間と地理的な共通点を説明できます。ただし、5人が現在も生かされている保証はありません。
可能性あり / 検証中
- 拉致と国外移送は、単純な排除より手間がかかります
- 移送先が、作中のアール山から約1000キロ圏内に集まっています
- 黒須は、乃木とノコルの双方につながる人質になります
- 分散移送は、追跡を難しくするだけでも説明できます
- 尋問や交換材料が目的なら、乃木の誘導を置く必要はありません
- 敵から要求や集合地点は示されていません
この説はどう動いたか
移送先の配置と、5人を生かしたまま運んだ点から誘導説が浮上しました。
第12話でも拉致目的は明かされず、評価はBのままにします。
出典・参考
本編と公式情報を事実確認の軸にしています。報道や個人の考察は、説の広がりを知るための参考として扱い、確認できた事実とは分けて記載しました。