第18話でノコルが手入れしていたのは、ベキ愛用のライフルでした。兄の乃木は、その銃を漁船で運びます。第1シーズンでノコルが「お父さんの銃が汚れる」とベキの拳銃を乃木から取り上げた場面を思うと、同じ父の武器を挟む二人の距離は大きく変わりました。わたしはこのライフルを、ベキの再登場の予告ではなく、父の力を息子たちが救出へ向け直す印として読みます。
あの時は、父の銃を兄から取り上げた
第1シーズン第8話で、ベキは乃木へ拳銃を渡し、黒須を撃つよう命じました。そこでノコルは「お父さんの銃が汚れる」と制し、自分の拳銃へ持ち替えさせました。あの時の乃木は、ノコルから見れば、父の息子だと名乗って現れた侵入者です。父の武器へ触れる資格まで認められてはいませんでした。
ノコルが守ろうとしたのは、銃という物だけではなかったと思います。ベキのそばにいる息子は自分だという位置まで、乃木へ渡したくなかったのでしょう。父の拳銃は、黒須を試す道具である前に、乃木とノコルの間へ引かれた境界になりました。
第18話では、運ぶ役を乃木へ渡した
第18話でノコルが整備していたのは、ベキから譲り受けた愛用のライフルでした。第1シーズンの拳銃とは別の武器です。それでも、父の銃へ乃木を近づけなかった弟が、今度は大切なライフルを漁船で運ぶ役を兄へ託した対比は残ります。
ノコルはライフルそのものを乃木へ譲ったわけではありません。自分が撃つ銃を兄に預け、兄が作った経路で作戦地へ運ばせます。わたしは、所有を渡すことより、父の形見を同じ作戦の中で分担して扱えるようになったことに、二人の距離の変化を感じます。
ベキは命令ではなく、教えた技術として残る
第18話は、幼いノコルとアディエルがベキから対敵行動を教わった過去を描きました。ノコルはピヨから長距離狙撃も学び、Y2Kでも屈指の狙撃手になっています。父から受け継いだのは一丁のライフルだけではなく、それを使える技術でした。
ただし、回想と形見は、現在のベキが作戦を命じている証拠にはなりません。今回はノコル自身が、乃木の仲間を救うために参加を決めました。ベキは息子を動かす指揮官として戻るのではなく、教わった力を何へ向けるか考えさせる過去として残っています。
撃つ相手より、守る相手を見る
わたしの暫定的な答えは、父の生き方をそのまま再現するためではありません。受け継いだ技術を、兄が掲げた全員生還へ向け直すためです。かつて父の拳銃が二人を隔てましたが、今度のライフルは、運ぶ兄と撃つ弟の役割をつないでいます。
第19話では、ノコルが誰を撃つかより、どこから誰の退路を守るかを見たいです。第1シーズン第8話の拳銃交換と、第18話のライフル運搬を続けて見返してみます。父との距離を測っていた二人が、父の残した力を一緒に使える兄弟へ変わったことが見えてきます。
この記事の要点
- 第1シーズンの拳銃と第18話のライフルは別物ですが、どちらもベキと二人の息子の距離を映します。
- ノコルが大切な形見の運搬を乃木へ任せたところに、警戒から兄弟の分担へ進んだ変化があります。
- 第19話では、狙撃の結果だけでなく、ノコルが誰の退路を守るかを見たいです。
出典・参考
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