野崎は公安とXinxiの二重構造だけでなく、複数の情報機関へ身分を持ち、案件ごとに別の主人から命令を受ける諜報員だという説です。
諜報員という名乗りの広さ
野崎はチンギスへ、自分を諜報員だと説明しました。公安という所属名を避けたようにも聞こえ、放送後には多重所属説が生まれました。
海外の相手へ職務を説明するなら、諜報員という一般語は自然です。言い換えだけで所属先を増やすことはできません。
言葉の選び方一つから説が立ち上がる例として、よくできた場面でした。わたしも最初に聞いたときは引っかかりました。
第16話が示した命令系統
野崎と佐野は核融合研究データの独占を防ぐため、Xinxiへの潜入を決めました。野崎の表向きの所属が増えても、任務の主人は公安側です。
ここで線が引けます。別口の上司、資金、身分証は出ず、公安だけでは説明できないという前提が崩れました。
潜入が任務だったと分かったあとも、野崎の行動には説明されていない部分が残っています。そこを所属の数で埋めたくなる気持ちは、よく分かります。
ただ、未説明の穴を所属の数で埋めるのは安い解き方です。所属を一つ足せば、たいていの不可解な行動は説明できてしまいます。説明できすぎる説は、だいたい弱いです。
言い換えから、説が生まれる
諜報員という一語が、多重所属説を生みました。所属名を避けたように聞こえたからです。
ただ、海外の相手に公安と言っても通じません。職務を説明するために一般的な語を選ぶのは自然です。
ここを疑い始めると、台詞のすべてが暗号になります。言い換えは言い換えとして受け取っておかないと、読むものが無限に増えます。
否定に回すときほど、丁寧に書いておきたいです。消した説のページが雑だと、あとで同じ説が別の名前で戻ってきたときに、また一から考えることになります。否定は作業の終わりではなく、記録の始まりだと思っています。
第16話で、線が引けた
佐野が管理者として前へ出たことで、命令系統が一本に見えました。野崎の潜入は公安の任務で、承認した人物も分かっています。
別口の上司も、別の資金も、第三の身分証も出ていません。否定するときに数えられるのは、出てこなかったもののほうです。
それだけで完全に否定できるわけではありませんが、この説を支えていた前提は崩れました。だからDに置いています。
それでも残る観察点
劉が野崎の身分をどこまで把握したのかは、まだ分かりません。潜入者としての野崎がどこまで裸にされたのかという話です。
もう一つは、Xinxiから離れたあとの公安での扱いです。任務だったと認められていても、組織へ戻る道が同じとは限りません。
野崎が自分を諜報員と呼んだ瞬間の表情も、見返す価値があります。名乗りは相手に合わせて変えるものです。
誰に向かって何と名乗るかで、その人がその場をどう見ているかが出ます。チンギスへ公安と言わなかったことには、相手への敬意も混ざっていたのかもしれません。
相手に合わせて名乗りを選べる人は、それだけで一枚上手に見えます。野崎のこういう細かい手つきを拾っていくのが、このサイトのいちばん楽しい部分です。
第16話は、野崎が佐野の了承を得た公安の任務としてXinxiへ潜った経緯を示しました。諜報員という名乗りは職務の説明で足り、別の主人や第三の所属は確認できないため、この説は否定します。
ロマン説 / 否定
- 野崎はチンギスへ、自分を公安だけでなく諜報員という広い言葉で説明しました。
- 野崎はヘブライ語を使ってエルサレムで接触し、Xinxiへ入る国際的な経路を持っています。
- 第15話は、割り切れない世界を示す言葉を野崎の任務へ重ねました。
- 公安捜査官を諜報員と呼んでも意味は通り、別組織への所属を必要としません。
- エルサレムでの接触は、公安が承認したXinxi潜入の経路として説明できました。
- 第16話は佐野を公安側の管理者として置き、野崎が第三の組織から命令や報酬を受ける場面を示しませんでした。
この説はどう動いたか
第15話の諜報員という名乗りと放送後の多重スパイ説を、信憑度Dで検証対象にしました。
第16話で佐野の了承を得た公安の潜入任務だと示されたため、第三の主人を持つ複数所属説を否定しました。
出典・参考
本編と公式情報を事実確認の軸にしています。報道や個人の考察は、説の広がりを知るための参考として扱い、確認できた事実とは分けて記載しました。