第20話でシャキ城を出た黒須は、後方拠点の太田へ連絡し、救出を手伝ってくれたことへ礼を伝えました。李たちの追跡は続き、まだ帰国できる状況ではありません。黒須はなぜ、この時に「ありがとう」を伝えたのでしょうか。わたしは、第1シーズンで信頼のなかった二人が、助ける仲間として並ぶまでを考えます。
脱出直後に届いた短い言葉
第20話でシャキ城を出た黒須は、後方拠点の太田へ連絡し、救出を手伝ってくれたことへ「ありがとう」と伝えました。李たちの追跡は続き、ガラマン空港までの安全も確保されていません。それでも黒須は、太田が危険を引き受けたことへ言葉を返しました。
恋愛の場面として見るなら、太田の笑顔や震えた声へ目が向きます。ただ、黒須が選んだのは、気持ちへの返事ではなく、太田が「手伝った」という行動を確かめる言葉でした。まだ逃げ切っていない時に、その一言を伝える必要があったのはなぜでしょうか。
最初の部屋には信頼がなかった
第1シーズンで別班は太田の保釈金一億円を払い、暗号解析とハッキングへの協力を求めました。黒須は機材をそろえた部屋で太田を見守り、期限が迫ると作業を急がせています。能力は最初から必要とされましたが、太田が別班を信じられる状況ではありませんでした。
太田は黒須の隙を突いて刃物を自分の首へ当て、黒須と乃木も山本と同類ではないかと疑いました。山本に能力も身体も利用された後では、保釈金や設備を用意されても、次の利用者が来たように見えたのでしょう。二人の始まりを温かな救出へ書き換えると、第20話の礼が持つ重さを取り落とします。
支えられた人が、支える側を選んだ
第2シーズンの太田は、保釈中の国外渡航に特別許可を得て、東条とアゼルバイジャンの後方拠点へ入りました。フィルザへ送信機を託し、雷で通訳と通信が止まった時も三人の作業をつなぎます。今回は用意された部屋で仕事を求められるだけの立場ではなく、黒須たちへ近い場所で救出を支えました。
黒須の無事を知ると太田は笑顔を見せ、その後もXinxi本部への侵入を進め、HQ-9を二台破壊しました。黒須は技術の速さを褒めるより、「手伝ってくれた」と太田の参加を言葉にしています。わたしはこの言い方が、太田を便利な技術として扱わず、危険を引き受けた仲間として認めたのだと読みます。
恋の返事より先に、仲間として並んだ
太田が黒須を大切に思う気持ちは、役者の公式インタビューでも語られています。黒須の礼を恋愛の進展として喜ぶ読みには、十分な理由があります。一方で、黒須が太田の思いをどこまで知り、どう応えるのかは、まだ本編で示されていません。感謝だけを恋の返事へ広げると、太田が成し遂げた仕事が前座になってしまいます。
わたしの答えは、黒須がこの時に礼を伝えたのは、太田を支えられる人や使われる技術者の位置へ戻さないためだったというものです。二人の恋が始まったかは残っても、支える側と支えられる側の固定は崩れました。黒須は太田が自分たちを救った事実を知り、その選択へ返事をしました。
第21話では、シンシーがガラマン空港への道を塞ぎ、帰還はまだ続きます。次に見たいのは二人が直接会う瞬間だけではありません。黒須が車内で仲間を支え、太田が離れた拠点から退路をつなぐなら、短い「ありがとう」の後も二人は同じ救出を続けます。第1シーズン第6話の機材部屋と第20話の通信を続けて見ると、近くにいることより、相手の選択を認めることが信頼を作ったと分かります。
この記事の要点
- 第1シーズンの太田は、黒須と乃木も山本と同類ではないかと疑うほど、別班を警戒していました。
- 第20話では太田が国外任務へ加わり、黒須の無事を知った後もHQ-9の破壊まで作業を続けました。
- 黒須の礼は恋愛の返事を確定する言葉ではありませんが、太田が選んだ行動を仲間の仕事として認めました。
出典・参考
本編と公式情報を事実確認の軸にしています。報道や個人の考察は、説の広がりを知るための参考として扱い、確認できた事実とは分けて記載しました。