別班の危機と並行して、丸菱では蛍石をめぐる大きな商談が進みます。宇佐美はその表の仕事を担う上司です。乃木は昇進の功績を宇佐美へ譲り、自分はバルカの現地責任者を望みました。あの人事が誰にとって都合よかったのかは、会社の側からも見ておきたいところです。
丸菱の人事は、誰がどこまで決めたのか
長野が別班だと分かったことで、乃木の昇進話には別の意味も生まれました。ただ、宇佐美まで同じ任務を知っていたとは限りません。会社人事として動いた人物と、別班の配置を考えた人物は分けて見る必要があります。
第11話の宇佐美は、乃木から蛍石事業の功績を認められる、ごく普通の上司として描かれています。別班所属を示す場面も、新庄との連絡もありません。会社の仕事をしている人が会社の仕事をしていた、というだけです。
それでも怪しさ度を29に置いているのは、位置の問題です。乃木をバルカへ残す判断に会社側から関われる人は限られていて、宇佐美はその一人にあたります。
表の仕事が、裏の任務とどこで交わるか
この作品の面白さは、商社の仕事と諜報の仕事が同じ机の上で進むところにあります。蛍石の取引先、現地責任者、輸送経路は、どれも商社なら当然持っている情報です。
その当然の情報が、別班員5人の移送先と一本でも重なった瞬間に、宇佐美のページは大きく動きます。わたしが見ているのはその交点だけで、宇佐美本人の怪しさではありません。
普通の上司を、普通のまま置いておく
疑える位置にいる人を全員疑っていくと、怪しさ度という仕組みが意味を失います。宇佐美については、事件側の材料がゼロだという事実をそのまま書いておきます。
長野より上位の指示役を疑う説では、丸菱の管理職も確認対象に入ります。ただ、それは説の形から出てくる要請で、宇佐美の行動から出てきた疑いではありません。ここは混ぜないでおきます。
蛍石の商談が物語の本筋へ戻ってきたとき、この人がどちら側の顔で現れるのかを見たいです。普通の上司のままなら、それはそれで、あの会社に普通の日常があった証拠になります。
会社の時間と、別班の時間
この作品には二つの時計が動いています。四半期と商談で進む会社の時間と、人の命が数日で決まる別班の時間です。宇佐美が立っているのは前者で、乃木は両方をまたいでいます。
だから乃木が功績を譲った場面は、見方によってかなり冷たい取引にも見えます。会社の時計のうえで価値があるものを渡して、別班の時計で動ける場所を買いました。宇佐美はその取引の相手でした。
宇佐美本人がそれを分かっていたのかは、まだ描かれていません。分かっていたなら共犯で、分かっていなかったなら、優秀な部下に恵まれた部長の話です。わたしは今のところ後者だと思っています。
蛍石事業と乃木の配置へ近い位置にいますが、別班の事件を知って動いたと見る材料は、今のところありません。
評価語は犯人認定ではありません。劇中で確認できる接点と、疑いを弱める材料を並べた現時点の見立てです。
疑う材料
- 今回の国際事件と並行する蛍石事業で、乃木や長野と同じ会社の意思決定へ関わっています。
- 乃木がバルカへ残る人事の背景を、会社側から知り得る人物です。
- 長野より上位の指示役を疑う説では、丸菱の管理職も確認対象になります。
疑いを弱める材料
- 第11話では、乃木から功績を認められる通常の上司として描かれています。
- 別班所属や新庄との連絡を示す場面はありません。
- 蛍石事業へ関わることは職務上当然で、拉致事件との接点にはなりません。
- 役職
- 丸菱商事・エネルギー事業部部長
- 乃木との関係
- 会社での直属上司
- 第11話
- 蛍石事業の功績を乃木から評価される
- 未確認
- 別班、長野の任務、5人拉致に関する知識
出典・参考
本編と公式情報を事実確認の軸にしています。報道や個人の考察は、説の広がりを知るための参考として扱い、確認できた事実とは分けて記載しました。